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地震が起きてから、三週間経過・・・
私の住んでいる市では、たくさんの人々の力により、着々と復旧作業が行われている。
 
地震以降しばらくは、液状化によって吹き出た泥が乾いて風で舞い上がり、街中が砂埃の中にあった。
出掛ける時には、マスクと帽子は必須だった。
現在もマスクはいるけど、その大量の砂は大勢のボランティアなどの手によって、速やかに土嚢袋に詰められ、現在は道路の脇に山済みにされている所が多い。
 
2月に、ウチの地域から海沿いにかけての主要歩道に、目の不自由な人用の点字プレートがズラーっとはめ込まれたんだけど、今回の地震ではこれが仇となった気がする。
埋められて間がなかったこともあるのだろうけど、ほとんどのプレートが外れたり浮き上がったり沈んだりして歩道を分断してしまった。
それを境に亀裂が入り、自転車で走っていても車輪がはまってしまってハンドルを取られてしまう。
そんなふうだった歩道も、除々に整備されつつある。
 
私は、地震翌日の臨時休業日を除き、翌々日の日曜日から仕事先の社内復旧作業に出社したので、被害の大きかった駅周辺の状況を日々自分の目で見てきた。
ある朝は、危険な箇所には注意を促すコーンが立てられていたり、
昨日までは放置されていた崩れた路側帯が、今朝は柵で囲んで入れないようにしてあったり。
誰かが、日々作業を行っていて、私達が安全に暮らせるように働いているんだと実感した。
 
三連休の頃までは毎日、ウチの近所に設置されたボランティアの受付所に向かう大勢の人達と毎朝行き合いながら出勤した。
実は、私はちょうどこの頃、こういう状況下において、
自分の仕事内容が本当にしんどくて辛くて、
毎日悩みながら出勤していた。
そういう名も知らない多くの人の働きに比べて、自分の仕事は何かの役に立つのかと…
 
ジャージ姿に首に手ぬぐいを巻き、大きなシャベルを担ぎながら、ボランティアに向かう人に、
給水作業をしてくれている人に、
道路を整備してくれている人に、
交通整理している人に、
郵便屋さんに、
ゴミの収集してくれる人に、
とにかく、全ての人に、
「ありがとう、よろしくお願いします。」
と、心の中で呟きながら、毎朝、自転車を漕いだ。
 
正直、ここまで感謝する日々というのは、恥ずかしながら生まれて初めてかもしれない。
タケちゃんに、私のそういう気持ちが浸透したのかどうかはわからないが、
私が仕事に行っている間に、友達を誘ってボランティアに参加していた。
隣の地区の戸建の庭の泥掻きや、側道の泥を土嚢に詰める作業をしたらしい。
参加したことで、本人もまたいろいろ感じたこともあったようで、
いろんな話をしてくれた。
こういう事態でなければ出来なかった経験。
タケちゃんとたくさん話したことで、
今やるべきことは、自分の仕事を真面目にやって何かを感じることなのかもと、
少し前向きに捉えることができたのだった。


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