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病名は 「気胸」。
サルオのような、長身で痩せている成長期の時期に特に起こりやすい病気だそうだ。
穴は、目に見えないくらいの極小な物。
それでもそこから空気が抜けて体の内部に洩れてしまい痛みが発生している。
つまり、内臓がパンクしたってこと?
自転車選手が、一体全体、何やってんだか!
 
病院では、
脇腹を切開し直径1センチくらいのチューブを挿入し、
体内に溜まった空気を抜く処置をしてもらう。
そうすることで肺が少しずつでも膨らんできたら、穴が自然に塞がるらしい。
いわゆる自然治癒力に頼るという治療。
でも、もし一向に膨らんでこなかったら穴を塞ぐ手術することになるらしい。
 
夫から電話で説明を聞きながら、
私は、もう目の前が真っ暗になってしまった。
どちらにしても、入院は一週間前後だそうだ。
ただ、病気とは言っても半分怪我みたいなものなので、
要は時間をかけてゆっくり治せば、日毎に回復してくる。

しかし、サルオにはそんな時間的余裕は無い。
二週間後の、27日は全日本選手権、28日は国体県予選の試合があるからだ。
今回、途中棄権したことでインターハイのロードレースには出場できなくなってしまった。
だからこそ当然、サルオの気持ちは、
次の全日本と国体予選はしっかり走りたいに違いない。
果たして、その二週間後に間に合うのだろうか・・・?
 
よりによって、何でこの大事な試合が立て込んでいるこの時期に・・・
タイミングが最悪過ぎる。。。
 
医者の診立てだと、
挿入したドレインで空気を抜くことができて穴が塞がれば、
レースには出れるだろう。
しかし、もし手術ということになったら、
傷その物は小さいし、たいしたことはないけど、術後の判断としてレースは無理だろう。
とのことだった。
 
入院した病院は完全看護なのでサルオは病院に任せて、夫はひとまず帰宅した。
土地勘の無い所で、
またしても息子は救急車のお世話になった挙句入院になってしまい、
おまけに帰りの高速は大渋滞だったらしく、くたくたになって帰って来た。
 
 
・・・つづく (泣) ・・・
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