×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
月曜日、私は入院手続きと当面必要なものを持って、病院へ行くことにした。
この日は県民の日。
小学校は休みだし、私も予め仕事を休みにしていたので助かった。
インフルエンザのこともあって、小坊は病院に連れて行くたくないなあと思っていたら、
小坊はさっさと友達と映画を見に行く約束をして、
「オレは留守番してられるから、平気だよ」
と言ってくれた。
もう6年生だし、一人でも大丈夫かな。
と言うことで、今回は私一人で面会に行くことになった。
夫が、
「携帯はサルオに渡して来たからな」
と自慢げに言ったので、
何か持って来て欲しい物があるかも…とメールを2~3回したが、
その後、音信不通になってしまった。
夫は、携帯は置いて来たけど充電器は持って帰ってきてしまっていて、充電切れ。
全く使えないし!
しかも、その貴重なメールで持って来て欲しい物ある?って質問の答えは、
《携帯の充電器とipodと、BOSEのヘッドホン》
《メガネ》
《腹減った。何か食い物プリーズ!》
以上。
ま、それだけでも聞けてよかったけどね。
さぞかし病院食では、物足りないんだろうな。。。
リクエストの物を持って、いざ病院へ。
首都高を超え中央高速で山梨まで、150キロ。
たった一人きりでこんな遠出するのは初めてなので、緊張したが、
ナビのおかげで無事病院に行くことができた。
変にドキドキしながら病室まで行くと、
病院特有のの小さなベッドの枠からニョキっとはみ出た二本の足が目に入ってきた。
「あ、、、おっ母さん・・・来てくれたんだ・・・」
入院着を着て、ベッドで元気なく笑いながらサルオは言った。
病室のベッドに入院着を着せられて横になっているサルオは、
どっぷり病人になってしまっていた(泣)。
もう痛みはないの?
どっぷり病人になってしまっていた(泣)。
もう痛みはないの?
大変だったね・・・
「肺、穴、あいた。マジ、ビビッタし・・・」
と言って、脇腹に突っ込まれた管を見せてくれた。
「これで、空気吸い取ってるんだって」
確かに脇腹からチューブが出ている。
痛々しいよぅ~
「オレさ、片肺で走ったんだよ。スゴクね?しかも激痛!
後でレントゲン見せてもらってみ。左の肺、しぼんでるし。
ムカつくのがさぁ、そんな状態のオレより遅くて後ろ走ってた奴が、
完走した奴が少なかったからとか言う理由で、インターハイ決まってるんだぜ?
有り得ねぇし・・・オレに譲って欲しいし・・・」
本当に悔しいよね。
今回、サルオが言うように完走した選手が極端に少なかったらしい。
それだけ、難しいコースだったとも言えるが、
全体のペースもそんなには速くは無かったので、サルオは尚更悔しいと思う。
入賞圏内に入れたかどうかは、棄権している身としては何とも言えないけど、
リザルトでサルオと同等の実力のメンバーの順位を見る限り、
少なくとも完走はしていただろうし、
つまりは、インターハイの出場はおそらく決定していただろう。
それだけに、悔しさはMAXだ。
電池切れだった携帯に電源を入れると、
次々に何通もメールや電話の着信が入ってきた。
同じ部活のメンバーはもちろん、同じ県の学校の部員や他県の部員が、
みんな心配してメールや電話をしてくれていたんだね。
「オレが片肺で走ってるなんて、誰も知らないからさぁ、仕方ないんだけど、
オレがあまりにもすぐに先頭から遅れ始めたから、
沿道にいる先生や知り合いが、
沿道にいる先生や知り合いが、
『オラオラ~~~何やってんだぁ!!』とか
『真面目に足回せよっ!!!』とか、
行く所行く所、ガンガン怒鳴られたし!
こっちは片肺だったっていうのにさ。まあ、オレもそんなことは知らなかったんだけど…」
↑救急車に乗る時に、いろいろ世話をしてくれた同県の学校の選手に電話するサルオ。
脇腹に器具が着いているし立っていると痛くて疲れると言うので、
車椅子を借りてきて廊下まで押して行ってやった。
後ろからソッと写メを撮った。
本当なら、今頃は、
『怪我を頑張って治した甲斐あって、インターハイ決められたね!』
『怪我を頑張って治した甲斐あって、インターハイ決められたね!』
とハイタッチしていたはずなのに・・・
アイツは何で車椅子に乗って病院にいるんだろう・・・
あまりにもその姿が淋しげで可哀想で、涙が出てきた。
病名は 「気胸」。
サルオのような、長身で痩せている成長期の時期に特に起こりやすい病気だそうだ。
穴は、目に見えないくらいの極小な物。
それでもそこから空気が抜けて体の内部に洩れてしまい痛みが発生している。
つまり、内臓がパンクしたってこと?
自転車選手が、一体全体、何やってんだか!
病院では、
脇腹を切開し直径1センチくらいのチューブを挿入し、
脇腹を切開し直径1センチくらいのチューブを挿入し、
体内に溜まった空気を抜く処置をしてもらう。
そうすることで肺が少しずつでも膨らんできたら、穴が自然に塞がるらしい。
いわゆる自然治癒力に頼るという治療。
でも、もし一向に膨らんでこなかったら穴を塞ぐ手術することになるらしい。
夫から電話で説明を聞きながら、
私は、もう目の前が真っ暗になってしまった。
私は、もう目の前が真っ暗になってしまった。
どちらにしても、入院は一週間前後だそうだ。
ただ、病気とは言っても半分怪我みたいなものなので、
要は時間をかけてゆっくり治せば、日毎に回復してくる。
しかし、サルオにはそんな時間的余裕は無い。
二週間後の、27日は全日本選手権、28日は国体県予選の試合があるからだ。
今回、途中棄権したことでインターハイのロードレースには出場できなくなってしまった。
だからこそ当然、サルオの気持ちは、
次の全日本と国体予選はしっかり走りたいに違いない。
果たして、その二週間後に間に合うのだろうか・・・?
よりによって、何でこの大事な試合が立て込んでいるこの時期に・・・
タイミングが最悪過ぎる。。。
タイミングが最悪過ぎる。。。
医者の診立てだと、
挿入したドレインで空気を抜くことができて穴が塞がれば、
レースには出れるだろう。
しかし、もし手術ということになったら、
傷その物は小さいし、たいしたことはないけど、術後の判断としてレースは無理だろう。
とのことだった。
入院した病院は完全看護なのでサルオは病院に任せて、夫はひとまず帰宅した。
土地勘の無い所で、
またしても息子は救急車のお世話になった挙句入院になってしまい、
おまけに帰りの高速は大渋滞だったらしく、くたくたになって帰って来た。
・・・つづく (泣) ・・・
折ってくれたのは小坊。
千羽折る時間はなかったので、一羽が100羽分。
10羽で千羽鶴。
そして、それらには、《あ・き・ら・め・る・な》の文字が。
私は昨日、この千羽鶴を持って、
サルオの入院する150キロ離れた山梨の市立病院まで車を飛ばして行って来た。
一昨日の日曜日は関東大会最終日でロードレースが行われた。
サルオは、このレースに高校生最後のインターハイを懸け出場したのだった。
私も応援に行ってやりたかったが、
小坊がどうしてもサッカーの練習を休みたくないと言う。
と言うのも、実は来週一週間クラブが休みになるから。
なので一日たりとも貴重な練習を休みたくないという、
小坊の、サッカーに対して生真面目な気持ちは尊重したいけど、
小坊の、サッカーに対して生真面目な気持ちは尊重したいけど、
今回はさすがにちょっとくらい融通きかないかなぁ・・と思ってしまった。
でも結局は、私の山梨行きは断念。
行けない私の分まで、夫にはしっかり応援してきてもらうように頼んだ。
今回も前回に続き、
現地に居る夫からのメールと電話で様子を知るという、歯がゆい観戦になってしまった。
《さっき試走を終えた。
先生からは、調子良さそうだから今回は上を狙えるだろうと言われた》
夫からのメールで、少し安心したのも束の間、
《今、スタートラインに行く準備してたら、アイツ急に左胸と左肩が痛いと言いだした。
たぶん極度の緊張だろうと、先生も言っている、
走り出したら治まるんじゃないかって、本人もそんな感じ。
でも、かなり痛そう・・・》
と、目を疑うようなメールが届いた。
と、目を疑うようなメールが届いた。
訳がわからないので、すぐに夫に電話をかけた。
緊張って、神経性胃炎みたいに胃が痛くなるんだったらわかるけど、
左胸と肩って?
心臓が痛がってるの?
《本人は心臓が痛いって言ってるけど…わけわからんし、アイツ・・・
一応、スタートラインに着いたけど、やっぱり痛いと言って胸を押さえてる。
あれれ~うずくまったぞ・・・》
なに?
何で心臓がそんな痛いの?
《あぶら汗流して、胸を押さえてる・・・オイ!大丈夫か?深呼吸しろ深呼吸!》
夫が大声で叫んでいる。
もう、どうしちゃったの?
そんな最悪の状態でもスタートは待ってくれない。
あいにくC県は最後尾からのスタートだったので、
ローリングスタートの間に上手く隙間を縫って先頭まで出なければならない。
この間に自転車同士がぶつかって落車することも多いので、慎重に動くことが大事だ。
夫が観戦している前をサルオが通過して行ったらしく、
位置取りはいい感じで前に出られたようだった。
でも、表情は相変わらず苦しそうだったとのこと。
緊張だったら走っているうちにほぐれてくるだろうから、
次の周回の時に気をつけて見てみると言って、夫は一旦電話を切った。
いったいどうしたんだろう・・・?
私は、小坊をグランドに送り届けて、車の中で夫からの連絡をドキドキしながら待った。
次のメールは、
《やっぱり、辛そう。胸を押さえてる。単なる緊張とかじゃないのかもしれないなぁ…
先頭のスピードも上がってないのに、そこに着いて行けないみたいだし…》
また堪らず電話をしたら、
審判席にいる先生からも夫の携帯に電話があり、
《様子が変だから、次の周回で棄権させたほうがいいかもしれない。いいですかね?》
とのこと。
夫は、先生の判断にお任せしますと言ったらしい。
先生から見てもそんなにヤバイ感じなんて。
本当にいったいどうしたのか?
私はもう、心配と恐怖と、そして何よりアイツの悔しさを思うと涙が止まらなくなっていた。
「今、先生からまた電話があって、
坂の下で強制的に下ろしたって。
アイツは、苦しくても走りたいと坂を上ろうとしてたみたいなんだけど、
先生がサドルを引っ張って、無理矢理止めたって言ってた。
アイツは相当悔しかったんだと思う。
アイツは、苦しくても走りたいと坂を上ろうとしてたみたいなんだけど、
先生がサドルを引っ張って、無理矢理止めたって言ってた。
アイツは相当悔しかったんだと思う。
だけど、かなり苦しそうだから四の五の言ってる状態ではなさそうで、
これから救急車で病院へ搬送するって。
これから救急車で病院へ搬送するって。
また、救急車だってよ!一ヶ月に二回も!有り得ないよな・・・
俺、今から一緒に行って来るから。また連絡する!」
俺、今から一緒に行って来るから。また連絡する!」
・・・何でこんなことに?
次の夫からのメールが来るまで生きた心地はしなかった。
アイツの気持ちを考えたら、本当に堪らなかった。
アイツの気持ちを考えたら、本当に堪らなかった。
よく覚えてないけど、私はずーっと車の中で泣いていたと思う。
《今、救急病院到着。すぐにCTスキャン撮ってもらうことになった》
つい二週間前もCT撮ったばかりなのに、そんなに頻繁にレントゲン撮って大丈夫なの?
《確認したら大して被爆はしないらしい。痛みはスタート前と変わらないみたい》
《処置室にいろんな人が出たり入ったりしていて、様子がわからない》
もう、どうーなってるの?
今すぐにでもそっちに向かいたいと思っていたら、次に来たメールが、
《ナント、入院。左肺に穴が開いている》
・・・つづく (泣) ・・・
・・・つづく (泣) ・・・
救急車で運ばれるほどの大怪我したのは日曜日。
普通なら次の日くらいは学校休みたいところだけど、何せ皆勤がかかっているサルオ。
こんなことで休むわけにはいかないし、私も休ませるわけにはいかない。
かと言って、さすがに自転車で自走は無理だし、電車とバスってのもキツソウ。
なので、やむを得ず仕事はキャンセルして車で送迎。
様子を見て、もしかしたら明日も送迎しなきゃならないかも…と、
一応覚悟していた。
がしかし、サルオが驚異的な回復力を見せたのはこの後だ。
火曜日。
ダメ元で、この日から電車とバスで行くように言ってみた。
当然サルオはブツクサ言っていたけどね。
余裕を持って出掛ければ大丈夫さ!
ぐずぐずしていると遅刻しちゃうよ!
ってことで、渋々出掛けて行った。
正直、朝はまだヒョコタン歩きだったし、
電車で行かすのはちょっとかわいそうかなとも思ったけど、
ナント放課後はローラー台で練習をしてきたくらいなので、
私の読みは、満更でもなかったってことだな(笑)。
ただ、頑張ってやったローラー練習だが、
運悪くお尻の傷がちょうどサドルに当たる位置らしくて、
ほとんど立ち漕ぎでしか回せなかったとかで、
そうするとやはり左足に負担がかかって、かなり痛かったようだ。
ま、そんな状態だからまだまだ本来の練習はできなかったんだろうけど、
サルオなりに、関東に向けて練習休んでる場合じゃないって思っているんだな。
水曜日。
久しぶりに電車通学したサルオだが、
これがまた超疲れるらしく、結局この日から自転車で登校した。
頭を打った時に首も捻挫したため、首筋に少し痛みがあるというので、
無理して自転車でいくこともないんじゃないかと言ったんだけど、
本人の意思は固く、どうしても自走で行くと言って聞かない。
よほど電車は疲れるのか?
木曜日には競輪場での練習に出たいから、念の為この日の午後練は休んだそうだ。
その分、自走で家と学校を往復しているからちょうどいいと思う。
木曜日。
この日も自走。
そして午後練は競輪場でバンクトレーニング。
顧問にまだ思いっ切りは漕ぐなと言われ、足慣らしに何周も走ったらしい。
今回の怪我で、関東のチームスプリントのメンバーから外されるかも…
と心配していたサルオだったが、顧問から
「オマエで行くから、早く調子取り戻せ」
と言われたんだと、嬉しそうに帰って来た。
金曜日。
朝から雨で、サルオ泣く泣く電車通学。
しかも、この日は調理実習の下準備のために、
通常より30分早く登校しなければならなかった。
チャーハンを作るらしく、米5合持って行った。
昨日のバンク練習で、筋肉がパンパンになってしまったので、
午後練習の後、いつものマッサージに。
揉んで貰っている時は相当痛かったらしいが、施術後は本当にラクになったようだ。
試合までにもう一回来るようにと言われたらしい。
いいなぁ~私もマッサージして貰いたい…別にトレーニングしてるわけじゃないけど(汗)。
ちなみに、帰宅後、調理実習のチャーハンは上手くできたの?と尋ねたら、
「ベチャベチャーハンで激マズだった(#`-_ゝ-) 」
と、オカンムリ。
炊き立てのご飯じゃ、パラリとしたチャーハンは難しいかもねぇ~
そして、怪我から10日経った今日。
ズル剥けだった擦過傷は、腰の一ヶ所を除いてほぼ完治した!
打撲の痛みも取れているようだ。
明日の朝早くから、いよいよ山梨へ。
サルオの出番は、まずは金曜のトラック4速予選。
予選突破できれば土曜日にその決勝と、チームスプリント。
トラックを是非良い成績でクリアし、日曜日のロードへ備えてほしいものだ。
・・・どうなることやら。超心配。
とりあえず、怪我は回復して良かった。
しかし、若いってスゴイな。
あぁ、でも、単に若さだけではないような気もする。
アイツはきっと身体そのものが強いんだろうな。
さすが私が産んだ子だわ。フフフ。
《やっと・・・完》
《やっと・・・完》
《レントゲンの結果、骨折等の重傷箇所無し。頭のCT撮影中》
ああ、良かった!
最悪な事態は避けられたみたいだ。
《頭も問題なし。でも左半身ズル剥け。打撲も。ユニフォームもビリビリ》
いつも右側だったけど、今回は左か。
何もそんなことでバランスとらなくてもいいのに。
それから二時間くらいして怪我人は帰って来た。
左肩、左ひじ、左腰骨、左でん部、左ひざ、ズル剥け。
でっかいガーゼをいっぱい貼っ付けて、哀れな表情でリビングに登場した。
「怪我した・・・今度は左側だし。もうヤダ。」
ンなもん、見たらわかるよ。
でも骨折してなくてホント良かった。
自力で歩けるんだね?お父さんが車椅子とか言ってたから・・・
「一応、歩けるけど・・」
と言って、リビングを歩いて見せてくれたが、
ピョコタン、ピョコタン、イテっ!ぅお!ピョコタン、ピョコタン、ぅぐ、イデデ・・・
笑っちゃ可哀想だと思いながらも、ぷぷぷ・・・大爆笑。
「ひっでぇ~~~笑い事じゃねぇし!歩けんのかって聞くから歩いてみせたのによっ!」
もういいよって言えないくらい笑ってたので、
サルオはその後も、しばらくピョコタン、イデデ・・を繰り返してたのだった。
変な奴。
やっと変てこな歩行のお披露目が終わったら、今度は小坊に、
「オレ、身体全部輪切りにされたんだよ。スゴクね?トントントン・・・って」
「マジ?なわけないよな。何言ってんの?意味不明~」
「おっ母さん(小坊に振っといて、ほったらかしかい・笑)、オレ、脳みそあったよ!」
「そりゃ、あるだろーよ」
「医者がね、脳みそビッシリつまってるなぁ~って感心してたんだから!」
「でも脳みそって、シワだらけの方がいいんだよ。
シワはあるって?ツルッツルだなあって言ってなかった?」
「ぅえ?シワ・・何も言ってなかったけど(←ちょっと不安なサルオ)、
でもその医者ね、最近じいさんばあさんのCTばっかり撮ってるんだって。
だから、久しぶりに若者の脳みそ見れたって喜んでたんだよ。
若いのは、威勢がいいね~とか言っちゃって。脳みそが威勢がいいって、どんなだし!」
「お医者さんをリフレッシュさせてあげたんだ!スゴイねぇ」
「まあな。だからね、オレ、身体輪切りにしたんだよ。スゴクね?オイ、聞いてんのかよっ!」
って、また小坊に戻るんかい(笑)
《まだまだ、つづく・・・》
《まだまだ、つづく・・・》
怪我しても、笑われるサルオっていったい・・・
小坊の学校は、総合でも堂々3位に入り、
子供達はもちろん親も一緒になって盛り上がっていた、ちょうどその時、
私の携帯にメールが届いた。
夫からだった。
《落車、頭打ってタンカ》
実はこの陸上大会の日、サルオも一都三県の大会があり県代表として出場していた。
毎年、この大会は県総体で関東大会への出場に洩れた選手対象で行われる。
なので、サルオは本来なら出場しなくても良かったんだけど、
今年は地元の県が主催で、会場も普段サルオ達が練習している競輪場だったため、
県から出場依頼が来たのだった。
そして、落車・・・
夫からのメールはあまりにも短くて要領得ない。
居ても立っても居られずスグに折り返し電話した。
前を走っていた選手が斜行し、その選手にはすったその後ろの選手がこけて、
その選手を轢くような形でサルオが吹っ飛んだらしい。
(ちなみに、その選手はかすり傷程度の軽症)
(ちなみに、その選手はかすり傷程度の軽症)
しかも、バンクの一番傾斜度の高いてっぺんから、斜面を頭から吹っ飛んだって。
軽い脳震盪を起こしていたみたいで、動かなかったからタンカが出た・・・
と話していたら救急車が来たと言うので、一旦電話を切った。
小坊達の頑張りでワーワーキャーキャー楽しくやっていたのに、
一気に凹んだのは言うまでもない。
その後も届くメールは断片的。
《骨盤骨折の疑いあり》
《CTスキャン中。意識はある》
《骨盤が折れてると、内臓がやられてる可能性もある。その場合は大手術》
《今、CT撮り終わった。車椅子》
もうこの辺りで頭クラクラ・・・
骨折してたら→大手術→入院→車椅子→あのデカイ奴を介護・・・
骨折してたら→関東大会棄権→インターハイも夢と散る→進学悪影響・・・
とにかく骨折だけはしてませんように・・・
《つづく・・・ってここで、つづくんかい!キャー心配!サルオの運命や如何に!》
小坊より少し遅れて会場に行くと、
「夜中2時までかかって作ってくれたって、小坊から聞きました。
ありがとうございます!コレ巻いて頑張ります!」
私が作ったハチマキを巻いた選手達が、次々にお礼を言いに来てくれる。
6年生って、まだまだかわいいな♪
そして、先生からも改まってお礼を言われ、ちょっと恐縮(汗)
みんな、いい思い出になればいいね!
そして、プログラム1番のリレー予選。
T小は、第一レースの6レーン(一番アウト側)。
小坊は第一走者だ。
あーーー緊張するぅぅぅ~~~~、私が(苦笑)。
ピストルの音に上手く反応して、小坊は好スタートを切れた。
小坊はそのまま、レーンをはみ出ないように綺麗に走って、
第二走者のレオンにバトンを無事に渡すことができた。
ひとまず安心。
後は、残りの3人に声援を送るだけだ!
結果、小坊の学校は予選2位で通過できた。
パチパチパチ~~~~~
いいわぁ~リレーって。
バトンを渡していくって。
そして問題の1500はプログラム午後一のレース。
小坊はクジで一番インからの出走となり、
35~6人が一斉にスタートするには少し不利な位置となってしまった。
毎年、この1500では、スタートでの接触により転倒が多発する。
特にイン側の選手は外側から選手が被ってくるため、特に注意が必要だと聞いていた。
小坊上手くすり抜けてくれるといいんだけどなぁ~
ピストルが鳴って、一斉にスタート。
小坊はスロースタート。
どうやら前方の様子を見ながら、安全に後ろから追い上げていく戦法らしい。
ライバル・レオンは前の方で走っている。
小坊は、じわりじわりと順位を上げ、2周目は10位くらいで通過。
レオンは既に3、4位辺りを走っている。
やっぱり強いな。
ラスト周回、小坊はかなり苦しそうな表情だったが、
残り半周の地点で気合の追い上げを見せ、見事6位入賞を果たしたのだった。
ちなみにレオンは3位。
小坊は目標順位を大幅にアップできたので、満足げな表情だ。
ゴール後レオンと抱き合いお互いの健闘を称えていた。
この一時間後にあるリレー決勝で一緒に走る残りの二人も、小坊とレオンに駆け寄り、
頑張ったな!スゲーじゃん!と声を掛けてくれていた。
今回の陸上の担当になっている小坊のクラスの担任も、
かなり感動した様子で、二人の肩を抱いて喜んでいた。
走っている姿はもちろんだけど、このゴール後のこの様子、いやぁ~ホント感激だった。
目をうるうるさせながら、そんな光景を見ていると、
小坊が私の方に走って来て言った。
「あ、お母さん、オレ自己ベスト更新したよ!5分18秒で走れた!しかも入賞!
コロコミと、カード1袋だったよね?ククク・・・」
相変わらず、卒ないヤツめ(汗)
でも約束は約束。
まずは、コロコミ&カード1P、ゲットだね。
リレー決勝まで一時間しかないので、とにかく回復させなきゃならない。
日陰で水分補給していると、チョコをくれたりエネルギーゼリーをくれたりと、
いろんな人が二人を労わってくれる。
何せ、肝心の一走二走が、1500全力疾走してヘロヘロ状態だからね。
でも本人達の気力は十分のようだった。
二人とも入賞できたことで、アドレナリンが出まくりなんだろうな。
気持ちが高揚しているのが横で見ていてもわかるくらいだったもんね。
「あと、100メートル走ったら終わりだからね!
やるっきゃないっしょ!」
選手4名は、チームワークも万全でとてもいい感じ。
これなら上位を狙えるかも!
そしていよいよ、最終レース、リレーの決勝が行われた。
小坊は第5レーン。
6レーンに居る予選1位通過のT洲小の選手を前方に見ながらスタートする。
あああ~~~~また超ドキドキする!もちろん、私が(笑)
一眼レフでズームしてファインダー越しに小坊の表情を確認すると、
意外と予選の時より、落ち着いているみたい。
やっぱり試合慣れってするのかな。
・・・とか感心していたら、パン!とピストルの音がしてスタートした。
小坊、今回もスタート成功!
目標は第6レーンの選手だ。
レース後、Cジュから《ナイス走りでした!》と、お褒めのメールを頂いたくらい、
小坊は気持ち良い走りで、二走のレオンにバトンを渡すことができた。
3走の選手で少し失速したが、それでも2位でアンカーのユウスケにバトンは渡った。
ゴール寸前、ユウスケはメッチャ追い上げたが今一歩及ばず、
T小は2位でゴールした。
実力を出し切った選手4名は、ゴール後、トラックの中で伸びていた。
そして、やっぱり同じように伸びていた1位のT洲小の選手達と、
なにやら楽しそうに話していた。
帰宅後、何を話していたのか尋ねると、
「名前とか、身長とか、教え合って、バッチリ友達になったよ。
T洲小のアンカーの子、野球やってるんだって。
でも、学校ではサッカー部に入ってるらしいから、
今度は秋のサッカー大会で勝負だなって言っといた」
そっかぁ~・・・
真剣勝負すると、お互いスグに友達になれるんだね。
いいもんだぁねぇ~スポーツって。
例によって、長い長いリポートになってしまった(苦笑)。
だけど、とっても楽しい一日だった(*´∀`)・・・
・・・となるはずだったのだが、
実はこの後、メッチャ心配な時間を過ごすことになってしまったのである。
《つづく・・・ってまだつづくのか?(笑)》