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ロードレースは無事終了。
だけど、今回はまだ出場種目が残っている。
明日からはトラックに場所を移してレースが行なわれるのだ。
なので、112キロ走った、お疲れ様~宿に帰って寝てていいよ!
って訳にはいかない。
 
走り終わったサルを囲んで、監督さんや先輩の選手達と話を聴いていると、
今回スタッフとして帯同して下さっている同県の競輪場のMさんが、
「お疲れ様、弁当あるから食べて食べて!!」
と、ニコニコしながら近寄ってきた。
サルは、弁当と聞いてキラッ☆と目が輝いたが、すかさず監督さんが、
「いやぁ~さすがに、たった今100キロも走って来たばかりだから、
ちょっとスグには食えないっスよ。な?今は、入らねぇーだろ?」
と、サルの代わりに返事をしてしまった。
 
そーだよ、普通は食べられないはずだよ。
でも、サルは本当に食べられないのか?とヤツをチラッと見た瞬間、
私は聞き逃さなかった!
サルが小さい小さい小さい声で、つぶやいた言葉を。
「ぅえ?く、食えないこともない…ちゅか、食える…ちゅか、腹減った…」
やっぱり(笑)食えるんだ(笑)
 
しかし残念ながらサルのその声は、実況アナウンスの放送に掻き消され、
監督さんに耳には届かなかった。
「じゃ、弁当はもうちょっとしてからにしますから、選手村に持って行って下さい。
な、それでいいよな?」
「そっか、そーだよね~100キロ以上走ったんだもんねぇ~喉通らないねぇ。
じゃあ、預かっておくから後でね」
と言って、Mさんは弁当を持って行ってしまったのだった。
 
哀れ、サル(笑)
 
アイツ、どうするか?と思って見てたら、
監督さんがペットボトルが数本入ったスーパーの袋を下げていることに気が付いたらしく、
ジト~~~~~~~~と、その袋を見つめだした。
弁当が食えないなら、せめて水分で腹を満たす作戦に変えたらしい(笑)。
監督さんはその熱い視線に気付き、
「お?何か飲むか?どれでもいいぞ。好きなのを選べ」
と言ってくれた。
「あーはい、ありッス。じゃあ、お~いお茶、で」
なんか、笑えるぅ~~~~
「オマエ、お~いお茶、よっぽど好きなんだな」
 
普通、長距離レースともなるとドリンクは2本携帯し中身はスポーツ飲料が定説。
しかし、サルはスポーツドリンクがあまり好きではない。
練習の時も、水か緑茶。
今回も、いつも通り、お~いお茶を入れてレースに出ようと思っていたら、
監督や先輩に、猛烈に反対されたらしい。
お茶は消化に悪いし、何より例のドーピングに引っかかるかもしれないから。
緑茶って、カフェインが入ってるからかな?
 
「飲みたかったんだもんな、お~いお茶(笑)」
監督さんに言われて、
「ぅッス!」
と素直に言って、美味しそうに飲んでいた(笑)。
空っぽの胃袋に一気飲みしたら、チャプチャプ鳴っちゃうよ(笑)
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